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月が旅した地球シリーズ 春 そっと静かに 芽吹いたばかりの いのちの光が ひとつ またひとつ 風に乗り 新しい音となり 天と地を結ぶ 海を渡り 新しい色となり 地球を染める  鳥たちは 輝く音色達と 国境のない空に いのちの歌を 歌っている

月が旅した地球シリーズ 夏 森の泉のオルゴールは 水面に蝉の音泳がせて 深い緑を落とし込む 照りつく太陽の光や 樹々に絡まる蔦の群れ 動物たちの息づかいや 行方知らずの流れ星 たくさんのものから 生まれてきた音たちが この泉へと降り注ぎ 美しい幻想曲を奏でる 嵐の日は轟々と 吹き荒れる風音と 打ちつける雨音を やがて輝く虹の音と 飛び交う蝶の羽音を 波紋に広げて重ねては 素敵な音楽を奏でてる

月が旅した地球シリーズ 秋 明日に旅立った 夕日のように 森の樹々たちは その葉を染めて 昨日まで夢見ていた 煌めく琥珀色の世界を 創りあげてゆく それから 燃える暖炉の炎の中で 弾け飛ぶ火の粉のように 衣装の裾を翻しては 手拍子を響かせて踊る フラメンコの 踊り子のように 樹々の葉たちは一斉に 情熱の歌を歌いながら 明日に生まれる色を夢見て 可憐に舞って土へと還る

月が旅した地球シリーズ 冬 小さな泉は 藍色のビロードに 金のビーズを散りばめた きらめく夜空の毛布を 氷の鏡に映して掛ける 水底に身を寄せあって  静かに眠る魚たちは 流れる雲を追いかけて 空を泳ぐ夢を見る 樹々は夜空に枝揺らし 子守唄を奏ではじめる おやすみ おやすみ ゆっくりと 新しい命芽生える その日まで 色とりどりの花が咲く 美しい森の夢みて

時 toki 晴れた空に 虹がかかった日に 私は心の悲しみを この空に溶かしてしまおうと思った すると私の悲しみは 遠い虹まで舞い上がり 光の結晶へと姿を変えた そして弾けるように 一瞬で砕け散ると 七色に輝きながらサラサラと 優しい海へと還っていった いつか… 遠い遠い思い出となって 時の連絡船に運ばれてきたとしても この海が見える街の 穏やかな時の中で きっと幸せに 暮らしているだろう 私の希望は一羽のカモメの背に乗って あの空へと羽ばたいていったのだから 晴れた空に 虹がかかった日に

巡 MEGURI 光の中で  たくさんの愛にふれる  命は  愛そのもの 樹々や草花  風のにおい 泳ぎゆく魚たち  水のにおい  小さな虫たち  土のにおい    静かに  耳を澄ませると  命の息づかいが聴こえてくる  この大地には  いくつもの  様々な形の足跡がある    この広い大地で  いくつもの輝く命を知った 私も  その中の  一つの命  あなたも  その中の  一つの命  たくさんの生き物たちも   それぞれに姿は違っても  全てはこの星の中の 一つの命  生まれては  この大地へと還り  大きな時の波を越え 新しい命へと繋がってゆく   いつか私も  この星の大地に還る  けれども愛は 生きて命の記憶となり  人の心から心へと 消えることなく  時の波を渡っていくのだろう  そうやって繫がってきた命だから  私はあなたで  あなたは私  そして私たち全ての命はみな宇宙

愛 ai 言葉もない時空の中で 私は何も求めず 私は何も与えず ただそこで 静かに 息をする それはまるで 野草のように 時に やさしい風の中で たおやかになびく 柳を眺め 時に 激しい雨に打たれながら やがて美しい虹を見て 時に 照りつく太陽の下で 褐色に肌を染めてゆき 時に 空に鰯雲の群れ追って 飛び立つ水鳥に 別れを告げて 時に 純白の雪降る中に 燃える椿の灯を探し この星の中の たくさんの命とともに ただそこにあって 静かに息をする 言葉もない時空の中で 何も求めず、何も与えず 今ここに存在する あるがままの私の姿 あるがままの私の命 今を生きるこの命こそが 「愛」そのものなんだと あなたが教えてくれたから 零から広がる無限へと 遥か時空を越えて また新しい命を宿し つながりゆく私たち たくさんの命の鼓動は 争うことなく響きあい 一つの美しい音楽となる そして空を突き抜けて 無限の宇宙へと 輝きながら広がってゆく

奏 kanade 小さな雨粒 一粒、一粒 この大地に 舞い降りる   命の波紋は 広がって   重なりあい 共鳴しあい   天の調べを 奏でてる 天の調べ 雨の奏 この地上に 命の水   泉となり 川となり 海となり   太陽の光 降り注ぎ この星の 色となる

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